リマインダーという祝福

著者: マリア・フォンテーン

11月 8, 2022

[The Blessing of Reminders]

July 12, 2022

私は、クリスチャンとして生きていく上で最も重要な事柄について、自分にはリマインダー(すべきことを思い起こさせるもの)がどれだけ必要なことかと、よく考えます。以前も、このテーマについて書いたことはありますが、それからもずっと、リマインダーがいかに助けになるかということを実感しています。

私は、疲れていたり、忙しかったり、あるいは一度にたくさんのことをこなそうとしたりして、気が散ってしまうことがあります。そうなると、私が見逃したり軽んじたりしているかもしれない、本当に大切なことを、主が思い出させてくださるよう、落ち着いて静かにイエスの足元に座るのを忘れてしまうのです。

でも、イエスは私たちを愛し、思いやっておられるので、私たちが主の前で静まる時だけに、そのようなリマインダーをくださるわけではありません。他の手段を使って、私たちの注意を引かれることもあります。

私の場合、イエスは私たちが大切にしてはいても、必ずしも十分に注意を払っていないような霊的原則や実践について、ピーターや他の同労者などを通して思い起こさせてくださいます。たとえば、困難に直面した時に主をほめたたえたり、自分の仕事に関して神を信頼したり、他の人たちが直面している困難や問題にストレスを感じたりしないようにすることです。

そういったことを再認識する必要性を思い起こさせられると、その場では、必ずしもいい気分ではないことがあります。多くの場合、自分の優先順位を見直すには、意識的な努力が必要とされるのです。時には、そうすべきだと分かっていたはずのことを、自分の人生のどこかの分野で優先事項として再確立する必要があることを、自分にさえ認めなければならないのは、少し恥ずかしいことでもあります。

リマインダーを人に与えたり、受け取ったりすることにおける問題の1つは、私たちは皆人間であるので、時にはそういったリマインダーの表現の仕方や受け取り方に難があるということです。リマインダーを与える時も、受け取る時も、常に謙虚さをもってそうすべきです。また、リマインダーを与えるのは誠実に助けようとするからだという前提で、それを与え、また、受け止めるべきなのです。私たちが確認を求めて主に目を向けるなら、主は常に、そのようなリマインダーを実践する最善の方法へと導いてくださいます。

使徒ペテロは、小アジアにいる信者たちを助けようとして、リマインダーを送っていました。

それを思い起こさせて、あなたがたを奮い立たせることを、私は地上の幕屋[肉体]にいるかぎり、なすべきだと思っています。…ぜひとも、私が去った後いつでも、あなたがたがこれらのことを思い起こせるようにしておきたいのです。—2ペテロ1:13, 15 [1]

また、ピーターは、2015年にこのように書いています。「神の御旨に沿ったリマインダーは、私たちの霊的成長における重要な要素です。それらは私たちを霊的に活発で、健全で、バランスの取れた状態に保ってくれます。…恵み深く、愛情深く、憐れみ深く、正直で、忍耐強く、優しく、善良で、批判をせず、励ましを惜しまないイエスのようになるための努力を続けるには、皆、リマインダーを必要としています。」[2]

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私たちが正しい軌道にとどまることをリマインダーによって助けてくれるような人が、まわりにいないこともあるでしょう。その場合、私たちの人生を支える重要な霊的原則に注意を向ける方法を見つけることによって、自分自身を見守る努力をするのが、私たちの責任です。私の知っているある人は、おしゃれな大きい黒板をキッチンに置いています。そこに、聖句や自分を動機づける言葉、また、人生において成長すべき分野に関する名言などを書き込んでいるのです。

皆さんにも使えそうな励ましのリマインダーの例を、いくつか挙げたいと思います。イエスが私たちにこれらの言葉を告げておられる姿を思い浮かべるといいでしょう。これらのフレーズのいずれも、またそのすべてが合わさって、私たちがイエスにとってどのような存在であるかを思い起こさせるいいリマインダーとなります。

私はあなたと共にいる。

私はあなたを強めている。

私はあなたに答えている。

私はあなたを守っている。

私はあなたを養っている。

私はあなたに平安を与えている。

私はあなたを愛している。(これまでも常に愛してきたし、これからも常に愛する。)

かなり多くのことは、リマインダーをどう捉えるかにかかっています。自分が完璧でないことに気がとがめつつも、リマインダーを面倒なこと、あるいは嫌々我慢すべきことと捉える場合もあるでしょう。でも、それでは、リマインダーを建設的に活用しようというモチベーションは生まれません。

もう一つの捉え方は、リマインダーは、主が私たちの成長を望んでおられる原則に再び焦点を合わせることによって、自分の能力を磨くための新たな機会であるというものです。こういったことをどう受け止めるかは、自分の人生やイエスとの歩みにおいて、原則を適用し直し、より賢くなるための、極めて重要なポイントになります。もし、リマインダーを、自分の人生においてイエスに喜ばれていることをさらに磨き上げるためのチャレンジと捉えるなら、そのようなリマインダーは、私たちを将来に備えさせてくれるいい機会となります。

神の言葉にある霊的な原則、たとえば、神に従うこと、祈ること、賛美すること、主にあって休むこと、主の愛と真理を広めること、人に与えること、忍耐を持つこと、親切や赦し、思いやり、あわれみを示すこと、愛をもって互いに仕えること、その他多くのことは、それを実践することによって磨き上げることができます。そのような原則に立ち返ることによって、新たな適用方法が分かり、その用い方がアップデートされることもよくあります。

イエスがこう言われたように:

過去から学びなさい、過去の成功や過ちから。
現在を明るくしなさい、喜びで満たされ、変えられていくことによって。
将来を楽しみにしなさい、あなたを待ち受ける素晴らしいことの数々を。

* * *

神の御霊は、どんな年齢であれ、心を若く保つ方法を示してくださいます。たとえば、証の方法に新しい工夫を加えたり、信仰の一歩を踏み出すような何かにトライしたりすることは、私たちの生活にインスピレーションをもたらし、心と意識へのチャレンジとなります。そして、もしあなたが誰かと協力し合う機会に恵まれているなら、お互いを励まし、新しい計画やコミットメントのことをお互いに思い起こさせることができます。

ジョニー・エレクソン・タダは、彼女の友人がいかに他の人たちと協力して、自分たちの証に新たなチャレンジを加えたかを、このように説明しています:

神は、私の友人ジェニファーにウエートレスに証する重荷を与えられました。ジェニファーは、クリスチャンの友人たちと隔週で会って、一緒に昼食をしていますが、レストランを選ぶ前にいつも祈ります。昼食の場所が決まって、そこに入ったら、ウエートレスと仲良くおしゃべりをするのです。そして、相手の名前を聞き、メニューからおすすめを教えてもらいます。

ジェニファーたちは、その同じレストランに少なくとも5回は通い、給仕長に、同じウエートレスをつけてくれるよう頼みます。そうして何度も昼食会を重ねるうちに、彼女たちはウエートレスと親しくなるのです。…ジェニファーたちは、一緒に昼食を楽しむばかりか、それを証の機会にしています。いやむしろ、ウエートレスこそが、彼女たちの集まりの主な理由です。

どこへ行こうと、誰に会おうと、私たちは自分のコミュニティにおいて、キリストのために効果的な証を行うことができます。でも、ジェニファーは、「イエスのための外食」といったグループを組織することはないし、そのための予算を立てたり、パンフレットを印刷したりすることもありません。特に気負うことなく、ただ自然と、主のための証人となっているのです。[3]

* * *

慌ただしくなりがちなこの世の中では、緊急性の高そうなことに集中するあまり、長期的な優先事項が後回しにされることがあります。しかし、主はこれらの基本原則が長く放置されることのないように、リマインダーという祝福を与えてくださいました。

主があなたの注意を引くために、どのような方法でリマインダーを送られようと、それを「友」として迎え入れれば、それは主があなたに求めておられる最も重要なことを成し遂げる助けとなるでしょう。


1 新改訳2017

23つのリマインダー』、初版はディレクターズ・コーナーで2015年9月。

3 『Be a Witness』デボーショナル、2022年4月15日、ジョニー・エレクソン・タダ著

 

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