著者: マリア・フォンテーン
11月 29, 2022
コミュニケーションの重要性に関する私の最近の投稿の1つで、[1] 人はどのような方法でコミュニケーションをとるのか、また、他者との効果的な関係を築くためには、コミュニケーションというテーマがいかに重要なものであるかを見てきました。今回は、人間関係をより強く、より幸せなものにするための具体的な方法に、的を絞ってみたいと思います。
私がこれからお話するのは、結婚に関して学んだことですが、これらの原則の多くは他の関係にも適用できることを、ぜひ覚えていてください。たとえあなたが今、結婚していないとしても、これらの原則をあなたの人生の他の関係や分野に適用することができます。
私は最近、2020年5月にステージ4のすい臓がんと診断された、著名な作家であり、カウンセラーであり、牧師であるティモシー・ケラーについての記事を読みました。病気を生き抜くことはできないと言われた時の彼の受け止め方や、この世に残された時間ですべきことの優先順位について語った内容が、とても良かったです。
ケラー博士は、こんな質問を受けました。「人生の残り時間がいかに短いかを考えると、あなたが重点を置きたいことは何ですか。あなたにとって、一番上に来るものは何でしょうか。」 それに対して、彼はこう答えています。
妻のキャシーと私は、チームとして働くことでよく知られています。多くの意味で、私たちは一心同体なのです。
がんと診断された直後、私たちは、結婚生活において改善できるところを改善せずに、人生の最後を迎えるのは正しくないと気づきました。
私の反応が良くなかったために、妻が私には話せないと感じ、話そうとするのをあきらめたことがいくつかあったのです。でも今では、突破口を見いだせたし、これまで話せなかったことを話し、以前にはできなかった方法でそれに対処することができるようになっています。[2]
私はこの言葉に非常に感銘を受けました。なぜなら、がんの影の中で生きているティモシー・ケラーが、結婚生活の改善を最も重要な焦点の1つにできるのなら、なおさら、私たちも自分の結婚関係において同じことができるはずではないかと思うのです。
この点に関連して、私が非常に感銘を受けたもう1つの話は、離婚しようとしていたある人についてのものです。この夫婦はあらゆることを試してみましたが、何もうまく行きませんでした。それでも、彼は妻を愛しており、一緒にいたいと思っていたのです。
そして、毎日、彼女のために何ができるのかを尋ね、それを実行するために最善を尽くすという考えを思いつきました。妻は、彼から「ねえ、今日は君のために何をしてあげられるかな」と尋ねられるようになって、最初の3回は、きっと冗談を言っているのだろうと思いました。
そこで、彼をテストすることにし、ガレージの片付けや庭の徹底的な手入れといった、大仕事や難しい仕事を彼にさせました。彼が自分の言ったとおりに、彼女から頼まれたことをやり続けたりはしないだろうと思ったので、できるだけ大変なものにしたのです。
しかし、彼が毎日毎日、彼女のために何ができるかと尋ね続け、心を込めてそれを行うために努力し、持てる力を尽くている姿を見た彼女は、彼が自分への愛を確信させるために、何でもする覚悟でいるのだと信じ始めました。そして、彼が愛の具体的な表現となるような行動を積極的に行ったことで、2人の結婚は救われたのです。
そのために、彼は全力を奮い起こさなければならなかったけれど、それこそ、妻が必要としていたものでした。それは彼の愛の表れであり、彼は次のような聖書の教えを実行していたのです。「愛をもって互に仕えなさい。」 なぜなら、「互に愛し合うならば、それによって、あなたがたがわたしの弟子であることを、すべての者が認めるであろう。」(ガラテヤ5:13、ヨハネ13:35)
主が私たちの結婚生活の中心におられ、私たちの関係において最も重要な方である時、主の愛が私たちを調和と一体に導いてくれます。主の愛が私たちを動かす時、たとえパートナーからの反応が必ずしもこちらの望むものでなかったとしても、私たちは主を喜ばせているのだと確信できます。
神の愛を他の人々に与えることは、代わりに自分が欲しい物を相手からもらうための契約ではありません。お返しを期待することなく、自由に与えるべき贈り物です。私たちは、パートナーからのお返しを期待して、何かをすることもあります。相手のために何か良いことをして、その見返りに相手からも良いことをしてもらいたいのです。愛は愛を生むので、多くの場合はそうなりますが、自分が望む方法で、あるいは望む時に、それが自分に返ってくるのを見られるとは限りません。
見返りを期待し、それを動機としているのなら、私たちが与えるものは、完全に愛の心で与えていることにはなりません。私たちは、イエスの愛を模範にするといいでしょう。イエスは、私たちにはお返しをすることができないと承知の上で、私たちのためにすべてを与えてくださったのです。
「夫たる者よ。キリストが教会を愛してそのためにご自身をささげられたように、妻を愛しなさい。」—エペソ5:25
「柔らかい答は憤りをとどめ、激しい言葉は怒りをひきおこす。」—箴言15:1
「すべての無慈悲、憤り、怒り、騒ぎ、そしり、また、いっさいの悪意を捨て去りなさい。」—エペソ4:31
「友はいずれの時にも愛する、兄弟はなやみの時のために生れる。」—箴言17:17
「だれが賢い妻を見つけることができるか、彼女は宝石よりもすぐれて尊い。その夫の心は彼女を信頼して、収益に欠けることはない。」—箴言31:10–11
「事の終りはその初めよりも良い。耐え忍ぶ心は、おごり高ぶる心にまさる。気をせきたてて怒るな。怒りは愚かな者の胸に宿るからである。」—伝道の書7:8–9
「わたしのいましめは、これである。わたしがあなたがたを愛したように、あなたがたも互に愛し合いなさい。人がその友のために自分の命を捨てること、これよりも大きな愛はない。」—ヨハネ15:12–13
「妻たちよ。主にある者にふさわしく、夫に従いなさい。夫たちよ、妻を愛しなさい。妻に対して辛く当たってはいけません。子どもたちよ、すべてのことについて両親に従いなさい。それは主に喜ばれることなのです。父たちよ、子どもたちを苛立たせてはいけません。その子たちが意欲を失わないようにするためです。
何をするにも、人に対してではなく、主に対してするように、心から行いなさい。あなたがたは、主から報いとして御国を受け継ぐことを知っています。あなたがたは主キリストに仕えているのです。」—コロサイ3:18–21, 23–24 新改訳2017
「できる限り謙虚で、かつ柔和であり、寛容を示し、愛をもって互に忍びあい、平和のきずなで結ばれて、聖霊による一致を守り続けるように努めなさい。」—エペソ4:2–3
「悪い言葉をいっさい、あなたがたの口から出してはいけない。必要があれば、人の徳を高めるのに役立つような言葉を語って、聞いている者の益になるようにしなさい。」—エペソ4:29
「何よりもまず、互の愛を熱く保ちなさい。愛は多くの罪をおおうものである。」—1ペテロ4:8
「だから、あなたがたは、神の力強い御手の下に、自らを低くしなさい。時が来れば神はあなたがたを高くして下さるであろう。神はあなたがたをかえりみていて下さるのであるから、自分の思いわずらいを、いっさい神にゆだねるがよい。」—1ペテロ5:6–7
「たといまた、わたしに預言をする力があり、あらゆる奥義とあらゆる知識とに通じていても、また、山を移すほどの強い信仰があっても、もし愛がなければ、わたしは無に等しい。たといまた、わたしが自分の全財産を人に施しても、また、自分のからだを焼かれるために渡しても、もし愛がなければ、いっさいは無益である。愛は寛容であり、愛は情深い。また、ねたむことをしない。愛は高ぶらない、誇らない。不作法をしない、自分の利益を求めない、いらだたない、恨みをいだかない。不義を喜ばないで真理を喜ぶ。そして、すべてを忍び、すべてを信じ、すべてを望み、すべてを耐える。愛はいつまでも絶えることがない。」—1コリント13:2–8
1 参照:『人生に欠かせないもの—コミュニケーション』(ディレクターズ・コーナー、2022年5月17日)https://directors.tfionline.com/ja/post/life-essentials-communication/
2 ティッシュ・ハリソン・ウォーレン『How a Cancer Diagnosis Makes Jesus’ Death and Resurrection Mean More(がんの診断が、いかにイエスの死と復活をより意味深いものとするか)』(ニューヨーク・タイムズ、2022年4月10日)
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