
他の人を励ます
6月 2, 2026
著者:マリア・フォンテーン

他の人を励ます
[Encouraging Others]
June 28, 2022
「励ましは、魂のパン種。重く沈んだ心を持ち上げ、しぼみかけた希望を膨らませ、心が持つ可能性を前向きな形で目覚めさせます。また、それを与える側に対しては、目を開かせ、他者の中に宿る神聖な輝きに気づかせてくれるのです。」[1]
励ましは、神の愛を示すための重要な手段です。人が神の被造物として受け入れられ、愛され、大切に思われていると感じるとき、その人生に上昇スパイラルが生まれることによって、視野が広がり、信仰が強められ、より大きなことへと突き動かされるようになります。
親しい同僚が、他者の持つ良い点を、あらゆる機会を捉えて心から認めることの重要性を改めて実感した、という証を分かち合ってくれました。彼女から来た手紙は、ある言葉の引用から始まっています。
「誰かに贈ることのできるもっとも素晴らしい贈り物とは、励ましです。それなのに、自分の可能性を最大限に伸ばすために必要な励ましを十分に受け取れている人は、ほとんどいません。もし誰もが、成長に必要な励ましを受け取れたなら、ほとんどの人はその内に秘められた優れた才能を開花させ、世界は私たちの想像をはるかに超えた豊かさを生み出すことでしょう。」[2]
この言葉を読んで、私はマリア、あなたのことを考えました。なぜなら、あなたのもっとも優れた賜物の一つは励ましの賜物だと確信しているからです。励ましは別に新しい話題ではないし、私たちはすでにそれに少し慣れてしまっているかもしれません。それでも、励ましは私たちが他者に与えることができる非常に力強いものです。私は、それは誰にとっても、頻繁に思い出す価値があることだと信じています。
数ヶ月前、主は私の心に、友人夫婦に手紙を書くよう促されました。人々をくつろがせ、温かく迎え入れるという、彼らが持っている特別な賜物についてです。キリスト教的なもてなしや、食卓を囲む交わりについて書かれた本をいくつか読んでいる内に、他者に惜しみなく与えるという友人たちの資質に私は気づき、それが素晴らしいことだと思っていることを、伝えておくべきだと感じたのです。そういったことをするには、実際にお金も時間もかかります。彼らのもてなしは、犠牲を伴う貴重な贈り物ですが、彼らはそれを惜しみなく与えているのです。
そこで、私は腰を下ろし、メールを書きました。すると翌日、彼らから返事が届いたのです。私のメールにどれほど心を動かされたか、また、自分たちを通してこの賜物が輝き、他者への祝福となっていることを聞いてどれほど励まされたかを伝えてくれ、私も報われた気持ちになりました。
自分以外のクリスチャンについて考えるとき、「彼らにはイエス様という支えがあるのだから、私たちの励ましの言葉など、それほど必要ではないだろう」と思い込んでしまいがちです。しかし、多くの場合、主は私たちが必要とする愛と支えと励ましを、主にある兄弟姉妹を通して与えてくださいます。
相手がどのような状況にいるかは、分からないものです。子どもが人生の困難な時期を過ごしているのかもしれないし、本人または家族に健康上の不安があって心配しているのかもしれません。あるいは、他者を助けようと努力したために家計が苦しくなり、今のように与え続けることが、自分の払っている犠牲に見合う価値があるのかと悩んでいるのかもしれません。
私たちは皆、自分の賜物を用いて愛し、他者にとってのイエスであり続けるために、励ましを必要としています。それは、人生を変えるほどの影響を残すので、金よりも価値のある投資と言えます。
マリア: 私たちは皆、誰かを励ますためにできることがあります。私は、この原則を実践する方法を見つけるのが大好きです。特に、日々献身的に尽くしながらも、正当な評価をあまり受けていない、主にある兄弟姉妹に対しては、なおさらです。ありのままの彼らのことや、主への愛を抱いていることに対して感謝していると伝えることは、その人の人生に大きな変化をもたらすことができます。
上記の証に登場する夫婦がしたような親切や物惜しみしない行動もまた、他者に与えられる励ましの一つの形です。私たちは、神からいただいた慰めをもって、他の人々を慰めます。主にあってお互いを励まし合うとき、それは連鎖反応となって、その励ましが外へと広がっていき、数え切れないほど多くの人々に届くのです。
ある人が、2人の若者の当座の困りごとを解決することによって、彼らがいかに価値ある存在であるかを知らせた、という素晴らしい話に出会いました。それはささやかなことから始まり、次第に大きな広がりを見せていきました。次のような話です。
ボブという名の男性が、自分の住む小さな町に、一時的な住まいを必要としている2人の若い難民がいることを耳にしました。この十代の兄弟は、英語がほとんど話せず、家族とも離ればなれで、お互い以外に知り合いが誰もいない状況でした。
ボブは、彼らに一時的な滞在場所を提供することを申し出ました。この若者たちが世界のどの辺りから来たのか、まったく知らなかったのですが、惜しみなく助けることを実践するのを信条としていたため、少年たちのために客間を用意したのです。
一時的な滞在のはずが、もっと長くなり、さらに延びていきました。ボブは、彼らにパソコンの使い方を教え、中古のパソコンを見つけてきました。運転も教えました。運転免許の取得に付き添い、語学教室へも連れて行きました。中古車の購入を手伝いました。また、少年たちの国や伝統、宗教について学びました。彼らが恋しく思っている料理について教えてほしいと頼みました。その料理を作ってあげたかったからです。移民に関する法律や手続きを調べることに没頭しました。ボブは、彼らの擁護者、メンター、そして友人としての役割を担ったのです。
ボブは彼らの就職を世話し、彼らも交際相手ができると、夕食に招いてボブに紹介するようになりました。交際相手の1人がビザの関係で母国に帰らなければならなくなったときも、ボブは彼女とその幼い息子に付き添ったのです。ボブは彼らにとって父親のような存在になり、彼らもまた息子や娘のような存在になりました。
ボブは彼らの人生を変えました。そして彼らもまた、ボブの人生を完全に変えたのです。
ボブは、私の祖父、ロバート・ローレンス・バリーのことです。91歳の誕生日を目前に亡くなりました。祖父が亡くなる数週間前、私たちは皆、本来なら一時的に過ぎなかったはずの滞在から始まった、この素晴らしいコミュニティについての思い出話を語り合いました。この2人の若者、そして最終的にその妻や子どもたちの人生は、1人の男性の寛大さと献身によって、これほどまでに力強く形作られてきたのです。
祖父がこの若者たちと出会ったのは、85歳の時であり、この素晴らしい話は、5年以上にわたって繰り広げられました。人生の終盤を迎え、多くの人がペースを落として、平穏な日常に落ち着こうとする年齢なのに、祖父はそれとは正反対の道を歩みました。
もしあなたが、「もう年だから、人の役に立ったり、誰かを大切にすることで励ましたりすることなんてできない」と思っているなら、そんなことはありません。「本当に美しい何かを築き上げるには、もう時間が足りない」と思っているなら、それも間違いです。
遅すぎることはありません。成長するのに、遅すぎるなんてことは、絶対に、決してないのです。[3]
マリア: 言葉や行動を通じて誰かを励ます時間を取ることは、それが大きなことであれ小さなことであれ、この世界をより良い場所にする助けとなります。たとえボブがしたようなことをするだけの余裕がなくても、私たちにできることは必ず何かあります。
心からの励ましを日常生活の一部にすることは、他者と関わるあらゆる場面で実践できます。もしそれが誰かに、「自分は価値のある存在だ」と気づかせる助けとなるなら、「自分は愛されている」ということを思い出させるきっかけにもなるでしょう。
もちろん、誰かイエスを知らない人がいれば、私たちの第一の目標は、その人がイエスに近づけるよう手助けすることです。しかし、何らかの理由で主のことを伝えられない場合であっても、誰かを励ますという行為は、この世界には愛があるという希望を抱かせるほどに、その人を明るい気持ちにする助けとなります。
主はそれを、ご自身の愛の他の現れや、私たちの祈りと合わせて用い、その人をご自身のもとへと導くことができます。ですから、「小さい事の日」を軽んじてはいけません。小さな事に忠実な人は、大きな事にも忠実です。多くの巨大な歯車も、小さな軸受けの上で回っているのです。
多くの人は何らかの形で思いやりを持ち、気配りを示すことができるので、そうした行動をあなたが認めることで、相手はさらに進んでそうしようと思うようになるでしょう。それは壁を取り払い、相手の心を開くきっかけとなります。そして、「上げ潮はすべての船を持ち上げる」という言葉があるように、あなたを含めた全員が益を得るのです。
家族や愛する人、友人や仕事仲間、あるいは、たまたま出会った人に対しても、どうやってこれを実行できるかを探ってみてください。この励ましの原則を人生に取り入れるなら、励ましの川が、あなたを通じて他の人々の生活へと流れ込んでいくので、あなたの想像以上に大きな影響が生まれると私は信じています。
1 著者不詳
2 シドニー・マドウェッド
3 出典:ショーナ・ニキスト著『I Guess I Haven’t Learned That Yet: Discovering New Ways of Working When the Old Ways Stop Working』(ミシガン州グランドラピッズ:ゾンダーヴァン社、2022年)
