耳を傾けるという投資への配当

2月 14, 2015

著者:マリア・フォンテーン

February 14, 2015

しばらく前に、人に与えられる最高の贈り物、つまり耳を傾けるという贈り物についての記事を掲載しました。話を聞いてもらう人にとって、この贈り物がどうしてそれほど貴重なのかということについてです。今回の記事では、耳を傾けることの別の側面、つまり、聞き手であるあなたにとっての益について書きたいと思います。

聖書には、こう書いてあります。「与えよ。そうすれば、自分にも与えられるであろう。人々はおし入れ、ゆすり入れ、あふれ出るまでに量をよくして、あなたがたのふところに入れてくれるであろう。あなたがたの量るその量りで、自分にも量りかえされるであろうから。」[1]

この面でのスキルを使い、磨きをかけていくにつれ、自分の人生における耳を傾けることの価値が明らかになります。人に耳を傾ける時の、時間や関心、真の思いやりという犠牲は、数々の素晴らしい形で自分に返ってきます。コミュニケーションの名手であるイエスからの幾つかのポイントに加えて、この道の達人の言葉も載せたいと思います。

ここで、他の人に耳を傾けるというのは、相手の心の叫びや、学んでいること、経験していることに耳を傾け、その人を支え、慰めるということです。あなたがそこから得るものは、何かを探し求めている人の心を理解しようとして、このような思いやりと愛情に満ちたアプローチをしたことの結果です。もちろん、耳を傾けるからといって、相手の言うことをすべて受け入れ、それに同意するわけではありません。良いものと悪いものの両方から益を得るには、そして、ポジティブなことから学び、自分の心や思考にネガティブなものや神の教えに合わないものを入れるリスクや危険を認識することにより、そこから知恵や経験を得ていくには、判断力と、イエスの霊とのつながりが必要とされます。そうやって人の話に耳を傾けるのは、賢明な投資です。イエスが私たちになってほしがっておられる完全な人になるのを助ける豊かな経験を与えてくれるし、私たちが可能性をフルに発揮するのを助ける役割をします。

イエス、預言の言葉:ある人の心や魂の込み入った複雑さを発見する術を、あなたに教授することができるのは、神である。この人生があなたの教室であり、あなたの周りの人たちが、おもな教科書の役割を果たし、あなたの最終論文は、他の人や自分自身について、また最終的にはあなたの創造主について学んだことをまとめたものである。

人々は生きた本である。その人生の表紙の内側に、あなたは、経験や人間関係、また選択やそこから生まれる祝福や結果からなる、個性的なコレクションを発見することだろう。また、彼らの独自性と、あなたとの共通項を与える、神のタッチも見出すことだろう。じっくり人の話に耳を傾け、理解しようとする時、それは、彼らの心の中をわたしと散歩するようなものだ。それぞれの人生は、豊かな宝の山だが、表面だけ見ると、必ずしも高価な宝石が見えるわけではない。本のページのようで、言葉が詰まっているが、じっくり時間をとって勉強し、そこに隠された知恵や真理を吸収しない限り、その価値が明らかになることはない。

人について言えば、相手とのやり取りは、耳を傾けることから始まる。あなたは彼らの経験から何かをくみ出す。その人の夢、希望、喜び、悲しみ、喪失感を少し共有するのだが、それはあなたの経験を深め、自分だけでは持てなかった別の観点から人生を見る助けになる。自分自身の経験と他の人の経験の両方をもとにして、またそれに加えてわたしとの関係を通して、人生の選択や決断を下すとき、それは知恵を深める助けとなる。

他の人に耳を傾けるというのは栄誉なことである。その人の人生の富を手渡され、それによってあなた自身の人生が豊かになるからだ。耳を傾けることで、誰かを助ける道が開かれるなら、あなたの目的意識は強められ、自分自身やわたしのことをより深く理解できるようになる。

イエス:耳を傾けて学んだことの数々のピースが合わさってどうなるのか、すぐにはわからないかもしれない。本を読み始めたばかりの時には、話の筋がどうなるのかわからないのと同じである。自分が得たものをより全体的に理解できたことが明らかになるのは、章を読み終えてからかもしれないし、本全体を読み終えてからかもしれない。だが、一つ一つの言葉やページ、耳を傾け、共感しながら深く知るようになった人生一つ一つが、自分自身の人生の本に貢献し、それを豊かにし、深めてくれる。(以上、イエスからのメッセージ)

以下に紹介するのは、良き聞き手になることの益について、様々なビジネス・リーダーや教育者、著者、スピーカーなどの言葉です。


相手の感情に耳を傾けることは、20年のビジネスの経験で学んだ一番大切なことだと言えるだろう。―ヒース・ハーバー

リーダーとしての資質の中で、耳を傾けるということは、最も価値がありながら一番理解されていないものの一つである。業界の責任者の大半は、時々しか耳を傾けず、ありふれたリーダーのままでいる。だが、少数の偉大なリーダーは、耳を傾けるのをやめない。彼らはそうやって、誰よりも先に、まだ表面化していない問題やチャンスについて知るのである。―ピーター・ナルティー

信頼のおけるコミュニケーションが十分になければ、人の心をとらえることはできない。―ジョン・P・コッター

毎朝、自分に言い聞かせていることがある。「今日、自分が話すことから、学ぶことは何もない。何かを学ぶには、相手の話に耳を傾けなければならない」と。―ラリー・キング

耳を傾けることは、[聞いてもらっている人だけでなく]聞き手にも益となる。信頼関係を築き、誤解を避ける助けとなるし、それは何よりも、相手を元気づけるために与えられる真の贈り物である。―ダーラ・ジャニ

人の話によく耳を傾ける人は、話しをする人よりも、はるかに愛され、人を引き付ける。また、より感銘を与え、より学び、より役に立つ。―ブレンダ・ウェランド

現実に、私たちは日々、ペースを落として耳を傾けるよう言われている。だが、いったいどうして耳を傾けるのか? それは、耳を傾けることによって世界をつなぐからだ。耳を傾けることは、大切なすべてに通じる入口なのだ。呼吸が肺を活性化するように、それは心を活性化する。私たちが耳を傾けるのは、自分の心を目覚めさすためだ。元気で生き生きとしているために、そうする。それは、敬意のなすわざである。深く耳を傾けることで、元気で生き生きとした状態でいられるのだ。—マーク・ネポ

聞き上手の人は、どこでも人気があるだけでなく、しばらくすると何かを知ることになる。―ウィルソン・ミズナー

どんな報いがあるでしょうか。耳を傾ければ、情報が入り、最新の知識を取り入れることができ、問題にはまらずにすみます。自分が語る時の効果が高まり、交渉でも有利に働き、交渉力や影響力が増します。人はあなたを気に入ることでしょう。耳を傾けるというのは、自分自身への贈り物であり、また相手への贈り物なのです。―ダイアナ・ブーハー

無駄な会話というものはない。何を聞き取るべきかを知っている限り。―ジェームズ・ネイソン・ミラー

耳を傾けるのは大変なことだ。それをするには、内面の安定が求められるからだ。自分が語り、議論し、発言し、明言することによって、自分を証明しなければ、などと思わなくても済むような、内面の安定が求められるのだ。真に耳を傾ける人はもはや、自分の存在を知らせようという内的必要感がなく、自由に受け取り、歓迎し、受け入れる。耳を傾けるとは、相手にしゃべらせておきながら、実は、自分が何か言うチャンスをうかがっているということ以上のものである。耳を傾けるとは、相手に100%の関心を払い、自分の心の内に相手を歓迎するということだ。耳を傾けることの素晴らしさは、相手が、自分は受け入れられていると感じ、こちらの言葉をもっと真剣に受け止め、本当の自分というものを発見するということだ。耳を傾けるというのは、霊的なもてなしの一つの形であり、そうすることで、見知らぬ人を、友だちになるよう誘っているのである。―ヘンリ・ナウエン

今日、親身になって耳を傾ける時間をとり、それが相手の人生、さらにはあなたの人生をどう変えるかを見なさい。―ダーラ・ジャニ

耳を傾けることは、テストに合格か不合格か、セールスに成功するか失敗するか、仕事を得るか失うか、チームの意欲を向上させるか引き下げるか、人間関係を修復するか壊すかの違いをもたらします。―ダイアナ・ブーハー

耳を傾けると、驚くようなことが学べます。学んだことを行動に移す時、驚くほどに物事を変えることができます。―オードリー・マクローリン

耳を傾けることは、魔術師の秘法のようだ。よろいを溶かし、憎しみの中に美しさを生み出す力があるのだ。―ブライアン・マルドゥーン

耳を傾けることの益は、相互依存的かつ相乗的です。聞き上手になることの益をひとつ手にすると、ますます耳を傾けるようになり、他の益もどんどん増えていくのです。―クロエ・スクリ

ただ時間を割いて話を聞ける状態でいることは、「耳を傾ける」ことを経営ツールとして使う素晴らしい方法です。社員がやって来ては、20分おしゃべりをし、自分で完全に問題解決をして部屋を出ていくのです。―ニコラス・V・ルッパ

心で聞きなさい。聞くときに、感情移入をしなさい。自分をその人の立場に置いてみるのです。
成長するために、耳を傾けなさい。好奇心をもって耳を傾け、質問をしなさい。誰でも、あなたの成長を助けるようなことを話すことができます。
創造的に聞きなさい。アイディア、またはアイディアの兆しを求めて耳を傾けなさい。創造的なプロジェクトに火をつけるようなヒントや手がかりを求めて耳を傾けなさい。
自分自身に耳を傾けなさい。心の奥深くにある切なる思い、何よりも強く願うこと、この上なく気高い衝動に。あなたのうちにある、より良い自分に耳を傾けなさい。
奥深い聞き方をしなさい。おとなしくして、耳を傾けなさい。直感の耳をもって、無限の神の霊感に耳を傾けなさい。―ウィルファード・A・ピーターソン

何であれ、子どもが話したがることに熱心に耳を傾けましょう。子どもが小さい時に小さなことにしっかり耳を傾けないなら、大きくなった時に、大きなことを話してはくれないでしょう。子どもにとっては、どれもすべてがいつも大きなことなのですから。―キャサリン・M・ウォーレス

衝突に対応するためのツールの中で、しっかり意図的に耳を傾けることほど大切なものはない。耳を傾けることは、抵抗を減らし、創造的な解決策に思考を開く助けになる。耳を傾けると、メッセージが明確になるだけでなく、メッセージを発した人と聞き手の両方を変えることになる。耳を傾けることによって、両者の心が変わることが可能になるのだ。―ブライアン・マルドゥーン

しっかり耳を傾けるほど相手のことを気にかけていないなら、向こうもそれに気づき、お互いの関係や将来の付き合いが打撃を被ることになる。…すべては、しっかり耳を傾けることから始まる。―ノーマン・ガイスラー

自分の目の前にいる人に耳を傾けるなら、どうすればその人の役に立てるのかがわかるようになる。―メアリー・ジョー・シャープ

誰でも、一番聞きたい声は自分自身の声である。誰でも話すのが好きだが、中にはとりわけ話し好きの人もいる。多くの人は、ただ自分の言うことに耳を傾けてくれる人を見つけるためなら、何でも与えようと思うことだろう。十分長く耳を傾ければ、その人のことを知り、理解するようになるだけでなく、相手からの感謝を受け取ることにもなる。さらに、その人も私たちの言うことを聞きたいという気持ちになるし、後に、私たちはその人に対して理解しやすい形で話せるようになる。―ポール・E・リトル

耳を傾けるのは、人の心に聴診器をあてるようなものです。ただ耳を傾けることによって、人の心の内で何が起きているかを知ることができるのです。これは、キリストのことを伝える時には、非常に有益なツールです。聖書は、耳を傾けることの大切さを強調しています。ヤコブは信者たちに、「聞くに早く、語るにおそく」あるよう教えています。(ヤコブ1:19)―ジェームズ・M・ロックフォード


イエス、預言の言葉:生涯、本棚に本が置いてあっても、それを手に取り、その深みにつかり、知識の宝石を探し求め、じっくり考えて、その秘密を理解しない限り、その本は何の目的も果たさず、何も提供してはくれない。人も同じである。近くにいて、その「表紙」や「製本」や金色の縁、あるいは、ぼろぼろになり、シミのついた縁を見て、中身がどんなものかを判断しようとすることもできる。「パラパラとページをめくり」、「印刷の明瞭さ」や「紙の質」を見ることもできる。「目次」に目を通して、社交的に相手を知ることもできる。だが、時間をかけて耳を傾け、奥深くに隠されている宝を探し求めない限り、真の価値を十分に認識することはないであろう。(以上、イエスからのメッセージ)

耳を傾けるというのは、お互いのプラスとなる投資です。相手は、あなたの愛情深い気づかいによって益を受けるし、耳を傾けるという経験を通してあなたも益を受けます。あなたがイエスの信者なら、神からすれば、御国を代表する、より賢く、効果的な人を獲得したことにもなります。私たちが裕福でも貧しくても、大胆でも臆病でも、忙しくても暇でも、耳を傾けることの価値や重要性を認めるなら、そのためのちょっとした時間は必ず見つけられるものです。


1 ルカ 6:38.