神はどれだけ気にかけておられるのか

最近、ほんの１週間の間に３人の人が別々に、それぞれ内容は違うものの関連しあった事を話してきたのですが、神が私の人生にどう関わり、関与しておられるかを考えさせられました。

１番目の人は、私たちが人生をどう生きるかを神が実際気にかけておられるかどうかわからない、私たちが救いを受け取った後の選択には関心がないのではないかと言いました。神にとっては私たちのほとんどの選択は関係ないのだろうと、その人は感じていたのです。特に、それが重要な選択でないのなら。

２番目の人は、あるポッドキャストを聞いていたら、その話し手は、私たちが御心を見つけるためにあらゆる手を尽くしたという地点に達した時にのみ、神は人生に介入されるという見解を述べたそうです。つまり、神は、私たちが利用できるあらゆる手を使い果たし、自分たちにできることをすべてやり尽くすことを期待され、その後で初めて介入されると。

３番目の人は、神が世界を創造された時に、時計職人のように、時計を組み立ててねじを巻き、そこを立ち去った、そして、時計が自分で動くのに完全に任せた、という見方を述べました。神は創造という最初の仕事をし、自然の法則を創造されたけれど、そこからは首を突っ込んだり介入したりせずに、それ自体が動くに任せたのだと。

それから数日というもの、私はこれらの見解についてじっくり考えました。どうも腑に落ちないのです。神は気にかけておられない、私の人生に関与したくないとか、神の関心を得るには、かなりの努力をして、多少なりとも神にそれをしていただく価値があるように見せなければならないという考えに、私の中の何かが反抗していました。

これらのコンセプトのいずれかでも真実だとしたら、救われた後には何のために神が必要なのでしょう？　神は何の役に立つのでしょう？　混乱の時、助けや導きが必要な時、私には、神の導きを得ることができるという信頼が必要です。神は気にかけておられるのだろうか、助けてくださるのだろうか、あるいはどれだけ事態がひどくなったら神は助けてくださるのだろうかと考えるのではなくて。

この３つの考え方についてあれこれ考えていると、それらとは正反対の、３つの証拠が思い浮かびました。

(1) 自分自身の経験

神は私の人生に何度も介入され、私にとっては、それで神が私の下した決断に関心を持っておられることがはっきりとわかりました。

何年も前ですが、一度、ある夢を見ました。それによって、質問を知る前にさえ、答えを受け取ったのです。夢を見たのは、2つの仕事のオファーがあった数日前でした。その夢のおかげで、どちらの仕事を取るべきかが極めてはっきりとわかり、それによって、私は、主のための主要な仕事に直接つながる道を歩み始めたのでした。その時から、今では15年間、TFIの指導者の一人を務めています。その答えを得るために少しだって何かをしたわけではありません。ましてや、利用できる手段をすべて使い果たしたのでもありません。もちろん、すべての答えがこんなに簡単に得られるわけではなく、普通は答えを見出すために多少の努力が必要です。

主の導きを探し求めて、主から直接導きを受け取ったことは何度もあります。祈りの内に解決策を求め、それを見出しました。答えを下さいと神に求めると、神はそれを下さいました。預言や瞑想によって、また、私の心に語りかけることによって、御言葉を読むことによって、状況によって。主は私に、明確な助言と導きを下さり、それに従うとうまくいったのです。私は自分自身の経験から、神が気にかけておられること、神は私に関心を持っておられ、私が神に対してオープンな時には私の人生に関与されると知っています。

(2) 神の御言葉

旧約聖書でも新約聖書でも、幾度となく、神が人間と相互のやりとりをされたという例があります。神が色々な出来事に介入されたり、指導や助言、導きや警告を与えたりされたのです。

神が信者の決断に関与されたという例は山ほどありますが、ここに、使徒行伝からぴったりの箇所を紹介しましょう:

それから彼らは、アジヤで御言を語ることを聖霊に禁じられたので、フルギヤ・ガラテヤ地方をとおって行った。そして、ムシヤのあたりにきてから、ビテニヤに進んで行こうとしたところ、イエスの御霊がこれを許さなかった。それで、ムシヤを通過して、トロアスに下って行った。ここで夜、パウロは一つの幻を見た。ひとりのマケドニヤ人が立って、「マケドニヤに渡ってきて、わたしたちを助けて下さい」と、彼に懇願するのであった。パウロがこの幻を見た時、これは彼らに福音を伝えるために、神がわたしたちをお招きになったのだと確信して、わたしたちは、ただちにマケドニヤに渡って行くことにした。（使徒行伝16:6–10）

神には明らかに、彼らに行かせたい所と行かせたくない所があったのです。そして、どちらへ行くべきかが彼らにわかるようにされました。

聖書は決断の際に神の導きを求めるべきであること、また、求めるなら、神は導きを下さることを明確に述べています。

すべての道で主を認めよ、そうすれば、主はあなたの道をまっすぐにされる。（箴言 3:6）

わたしはあなたを教え、あなたの行くべき道を示し、わたしの目をあなたにとめて、さとすであろう。（詩篇 32:8）

ダビデ王は詩篇で、祈るなら神が導いてくださると信じていることを明確に表しました。

あしたに、あなたのいつくしみを聞かせてください。わたしはあなたに信頼します。わが歩むべき道を教えてください。わが魂はあなたを仰ぎ望みます。（詩篇 143:8）

イエスは、必要を抱えているならこうしなさいと言われました。

求めよ、そうすれば、与えられるであろう。捜せ、そうすれば、見いだすであろう。門をたたけ、そうすれば、あけてもらえるであろう。すべて求める者は得、捜す者は見いだし、門をたたく者はあけてもらえるからである。（マタイ 7:7–8）

イエスは父なる神が決断を導いて下さると信じていました。この点は、弟子の中から使徒を選び出したときにも表れていました。

このころ、イエスは祈るために山へ行き、夜を徹して神に祈られた。夜が明けると、弟子たちを呼び寄せ、その中から十二人を選び出し、これに使徒という名をお与えになった。（ルカ 6:12–13）

聖句からして、神は、私たちが望むなら私たちと相互のやりとりを持たれたいこと、また実際にそうされることが明かです。

(3) 聖霊

個人的な経験や、御言葉に見られる例以外にも、イエスがいったん地上を去られたなら、父が聖霊を送って信者たちに宿らせると約束されたことを思い出しました。イエスは聖霊が私たちの内に宿ると言われたのです。

わたしは父にお願いしよう。そうすれば、父は別に助け主を送って、いつまでもあなたがたと共におらせて下さるであろう。それは真理の御霊である。この世はそれを見ようともせず、知ろうともしないので、それを受けることができない。あなたがたはそれを知っている。なぜなら、それはあなたがたと共におり、またあなたがたのうちにいるからである。その日には、わたしはわたしの父におり、あなたがたはわたしにおり、また、わたしがあなたがたにおることが、わかるであろう。（ヨハネ 14:16–17, 20）

もし神が聖霊を送って私の内にいつまでも宿らせるとしたら、神が私を一人の人間として関心を寄せておられ、また、私が何をして、どんな決断をするかに関心を寄せておられるというのはもっともなことです。私は、神がかなり関心を持たれていると主張したいと思います。しかも、ただ『関心』を寄せるどころか、『関与』しておられるのです。

『interested』（関心を寄せている）の定義の一つとして辞書に載っているのは『having the attention engaged』（積極的に注意を向けている）です。『engaged』の定義は『活動に従事している: ふさがっている、忙しい』です。つまり『神は関心を寄せている』の別の言い方をすれば、『神はちゃんと注意を払っている。そして、あなたの人生に忙しく関与している』となるでしょう。

私には、神が私の人生に関わり、活発な役割を果たしたがっておられること、さらには相互のやりとりが伴う役割を果たしたがっておられるという証拠がたくさん見えます。神の御霊が私の内に宿り、私の決断を導いておられることは、私の人生の旅路の助けとなっているのです。

［欽定訳聖書で］聖霊を言い表すために『Counselor』（相談相手）という言葉が使われている箇所は、他の幾つもの翻訳では『助け主』と訳されています。私はその表現が好きです。神の御霊は私の助け主なのです。神が私の人生で活発な役割を果たしておられる、そして神が私という人間と、私がすることに関心を寄せておられるとは、素晴らしいことです。

神がただ私のねじを巻いて立ち去ったりせず、その代わりに御言葉と聖霊を通して神との相互関係を持つ手段を与えて下さったことを、私は心から感謝しています。聖霊が私の内に宿っているというのは、全く素晴らしいことです。